『ダンダダン』 主題歌まとめ｜OP「オトノケ」ED「TAIDADA」の魅力を徹底解説

アニメ『ダンダダン』第1期、観ましたか？オカルトも青春もラブコメもぜんぶ乗せ！な作品なんですが、それをさらに引き立ててくれているのが、なんといっても主題歌なんですよね。

オープニングテーマは、HIP HOPユニット・Creepy Nutsによる「オトノケ」。これ、初めて聴いたときからインパクト抜群で、「あ、この作品、ただの怪奇モノじゃないな」と一気に引き込まれました。疾走感あるビートとラップの切れ味が、怪異と青春の入り混じった世界観とめちゃくちゃ相性いいんです。

一方、エンディングテーマは「ずっと真夜中でいいのに。」による「TAIDADA」。こちらは、日常にふと忍び込んでくる非日常みたいな、不思議でやさしい余韻が残る一曲。ちょっと疲れた夜にしみるようなメロディがクセになります。

この記事では、そんな『ダンダダン』のOP・ED主題歌にフォーカスして、アーティストの背景や楽曲の聴きどころ、さらには歌詞に込められた意味なんかも深掘りしてご紹介していきます。

アニメと音楽、どっちもじっくり楽しみたい大人の皆さんに向けて、肩の力を抜いて読める内容にしてますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

オープニング「オトノケ」｜Creepy Nutsが描く“怪奇×青春”の世界

アニメ『ダンダダン』第1期のオープニング主題歌、「オトノケ」。この一曲が、作品の世界観にグッと引き込んでくれる仕掛けになってるんですよ。

手がけたのは、HIP HOPユニット・Creepy Nuts。ラッパーのR-指定とDJ松永のコンビで、ラップ好きな人ならもうおなじみですよね。社会のリアルや人間の奥底をえぐるような歌詞と、抜群のラップスキルで、常に“今”を切り取る彼ら。そんな二人が『ダンダダン』の主題歌をやるなんて…これはもう期待しかありませんでした。

「オトノケ」は、幽霊や宇宙人といった“理屈じゃ説明できない存在”が登場するこのアニメの雰囲気を、音で完璧に表現しています。まるで耳から異世界に引きずり込まれるような、そんな聴覚で味わうトリップ体験。イントロから一気に没入できる感じがたまりません。

今回のテーマは「怪異」「痛み」「共鳴」。Creepy Nutsのふたりにとっても、かなり挑戦的なモチーフだったようで、人間ドラマと非日常が同時進行する『ダンダダン』の空気感に、音楽でどう向き合うかを真剣に突き詰めた結果がこの楽曲になったそうです。

R-指定が語っていたのがとても印象的で、「怪異や霊が人に取り憑くのって、悲しみや痛みに共鳴して引き寄せられるんじゃないか。それって音楽の“聴き手と作り手”の関係にも似てる」っていうんですよ。なるほど、そういう視点でこの曲を聴くと、また一段深く感じられる気がします。

DJ松永も、「この世界にまだ存在してない音を作ったつもり」とコメントしていて、その発言に込められた自信と挑戦心がすごく伝わってきますよね。単なる主題歌以上の意味を持たせたいという、彼らの真剣な姿勢が垣間見えます。

ビートの重み、ラップの鋭さ、リリックの強度。その全部が、『ダンダダン』という混沌とした世界にぴったりフィットしています。しかも「憑依」とか「共鳴」っていう、作中のキーワードがそのまま歌詞に反映されてるから、ただのBGMじゃなくて、物語を一緒に動かす音楽になってるんです。

じっくり聴くと、一節一節にちゃんと意味が込められていて、何度でも聴きたくなる深さがあります。アニメとセットで聴けば、きっと作品への理解もグッと深まるはずですよ。

アーティスト紹介：Creepy Nutsってどんなユニット？

今回『ダンダダン』のオープニングを手がけたCreepy Nuts、名前は聞いたことあるけど、詳しくは知らない…という方のために、ちょっとご紹介しておきますね。

Creepy Nuts（クリーピーナッツ）は、ラッパーのR-指定とDJ松永による日本のHIP HOPユニット。HIP HOP界では言わずと知れた実力派コンビで、それぞれがソロでもしっかり活躍しているのが特徴です。

まずR-指定。彼は即興ラップの全国大会「ULTIMATE MC BATTLE」で、なんと前人未到の3連覇を達成したバケモノラッパー。言葉の切れ味と構成の巧みさがピカイチで、日常の中にある感情や違和感を、スッと突き刺すようなリリックに変えてくれるんです。

そしてDJ松永。こちらもすごい経歴の持ち主で、なんと世界的なDJ大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIPS 2019」で優勝。日本人初の世界一DJとして、国内外から注目を集めました。

そんな二人が組んだCreepy Nutsは、音楽にとどまらずラジオ、テレビ、書籍までマルチに活動中。ちょっとおバカな掛け合いと、時に鋭く本質を突くコメントが人気で、ユーモアと知性をバランスよく兼ね備えたコンビとして幅広い層から支持されています。

音楽性としてはHIP HOPを軸にしながら、ジャンルの枠を軽やかに飛び越えるのが魅力。社会の矛盾や人間の心の奥にある複雑さを描くリリックは、聴くたびに発見があるような深さがあります。

そんな彼らが今回手がけた「オトノケ」は、まさにCreepy Nutsの真骨頂とも言える一曲。『ダンダダン』が持つ“怪異×青春”という独特の空気感を、言葉と音で見事に表現しています。

特に注目したいのが、R-指定の語りかけるようなラップと、DJ松永によるドラマティックなビートメイク。イントロからラストまで、ぐっと物語の世界に引き込まれる力があります。

「音楽で、現実と異世界を地続きにする」——そんなCreepy Nutsの表現は、まさに『ダンダダン』の主題歌としてこれ以上ないマッチング。作品の世界観を音でも味わえる、贅沢なコラボになっています。

楽曲のサウンドと歌詞｜怪異と“痛み・共鳴”が混ざり合う世界

「オトノケ」は、一言で言うと“Creepy Nutsらしさ全開”のHIP HOPチューンなんですが、それだけで終わらない奥深さがあるんですよ。

まずサウンド面。DJ松永によるビートは、どっしりとした重低音が効いていて、一音一音がずっしり響いてきます。まるで足元からジワジワと異世界に引きずり込まれていくような、そんな感覚。展開も緻密で、単調に聴こえないよう細かい構成が仕込まれてるあたり、さすがの職人技です。

でもその一方で、ふとした瞬間に感じるのが、痛みとか切なさとか、もっと人間くさい感情なんですよね。無機質な“怪異”の世界を描きながら、そこにちゃんと“人間”の温度がある。その絶妙なバランス感が、『ダンダダン』の世界観とぴったり重なってきます。

そしてR-指定のリリック。これがまたすごいんです。「声にならない感情」「目に見えないものに引き寄せられる感覚」——こういう言葉がたくさん詰まっていて、人と怪異の境界が溶けあっていくような世界観が自然に描かれていきます。

言葉選びも、すごく繊細で絶妙なんですよね。攻撃的かと思いきや、ふっと優しい余白が残ってる。そんな心の“すき間”にスッと入り込んでくるような表現が散りばめられていて、気づいたら共鳴しちゃってる、みたいな。

アニメを観てからこの曲を聴くと、「あ、この感情、あのキャラのあの場面と重なるな」っていう瞬間がたくさんあって。楽曲自体が、物語の余韻を深めてくれるんですよね。

歌詞の中には、「憑依」「結び着く」「痛み」「声にならない声」なんていう、まさに『ダンダダン』の核心に迫るワードがずらりと並んでいます。こういう霊的で抽象的なテーマを、しっかりと言葉に落とし込んでくるのが、R-指定のすごさ。

この曲は、ただのアニメのオープニングじゃありません。もう一つの“語られなかった物語”として成立していると言ってもいいくらいの完成度です。

アニメを観て、曲を聴いて、またアニメを思い出して…そのループの中で、どんどん解像度が上がっていく。そんな多層的な魅力を持った主題歌なんです。

制作コメント｜「世界にない音」を狙ったCreepy Nutsのこだわり

「オトノケ」を作るにあたって、Creepy Nutsの2人は『ダンダダン』の世界観に強く共感したそうです。怪異と青春、痛みと絆…そんな複雑なテーマを音楽でどう表現するか。彼らは単なる“アニメの主題歌”という枠に収まらない、原作への愛と自分たちの音楽性をかけ合わせたアプローチで、じっくりとこの一曲を形にしていきました。

DJ松永は「この世界に無い曲を作った」と語っていて、それがもうめちゃくちゃ彼ららしいですよね。ジャンルとか型にとらわれず、“今までにない音像”を本気で追い求めた結果なんだと思います。

その言葉どおり、「オトノケ」には聴いた瞬間に「おっ、これは普通の曲じゃないぞ？」と思わせる異質さがあるんですが、それが不思議と心地いい。違和感と共鳴の間を絶妙に行き来する、まさに『ダンダダン』そのもののようなサウンドです。

一方、R-指定は「怪異や霊が人に憑依するときって、痛みや悲しみに共鳴して引き寄せられる。その感覚って、音楽の作り手と聴き手の関係にすごく近い」と話しています。

これってすごく詩的な表現ですよね。R-指定は「共鳴」や「憑依」といったちょっと抽象的な言葉で、アーティストとリスナーの繋がりを語っているんです。

それってまさに、『ダンダダン』の中で描かれる「人と怪異の奇妙な関係」と地続きになってる感覚。作品への深い読み取りと、そこに寄り添う哲学的な視点が感じられますよね。

そう考えると、「オトノケ」はCreepy Nutsにとって、ただのタイアップソングではなかったんだろうな…と強く感じます。彼らにとっては、音楽を通して『ダンダダン』の世界と繋がる“架け橋”のような存在だったのかもしれません。

この曲には、アーティストとしての挑戦心も、作品へのリスペクトも、しっかりと込められている。それが伝わってくるからこそ、『ダンダダン』のオープニングとして、そして一つの楽曲としても深く刺さるんです。

アニメファンも音楽ファンも、ぜひ一度じっくりと聴いてみてください。きっと聴くたびに、何か新しい発見があるはずです。

エンディング「TAIDADA」｜ずっと真夜中でいいのに。が描く日常と非日常の狭間

『ダンダダン』第1期のエンディングテーマ「TAIDADA」は、音楽ユニット・ずっと真夜中でいいのに。（通称「ずとまよ」）が手がけた書き下ろし楽曲です。

一日の終わりにそっと寄り添ってくれるようなこの曲、アニメのラストに流れた瞬間から、なんとも言えない余韻が心に残ります。疾走感がありつつも、どこか肩の力が抜けるような心地よさ。まるで不思議でちょっと過剰な世界を旅したあと、日常にふわっと戻ってくる“着地の一曲”とでも言いたくなる仕上がりです。

作詞・作曲を担当したのは、ずとまよのフロントを担うACAねさん。彼女の独特なワードセンスと、耳に残るメロディラインが、今回もばっちり冴え渡ってます。

歌詞には、「敵であることが助け合い」「疲労感で眠れるような」「四畳半のしあわせ」といった言葉が登場しますが、これがもう、『ダンダダン』のキャラ同士の距離感や関係性を絶妙に言い当てているんですよね。

敵と味方、怪異と人間、日常と非日常…すべてがどこかで繋がっていて、強烈なバトルのあとにも“ふつうの暮らし”がちゃんと存在している。そんなバランス感覚が、このEDにはぎゅっと詰まっています。

音的には、スピード感のあるリズムと、ふわっと浮遊するようなサウンドが融合していて、エモーショナルなのに、聴き心地はすごく軽やか。不思議とリピートしたくなる中毒性があります。

エンディング曲って、アニメの余韻をつくる重要なパートだと思うんですが、「TAIDADA」はその役割を完璧に果たしつつ、登場キャラたちの“心の余白”までそっと描いてくれるような一曲なんです。

アニメのハイテンションをいい意味で引きずらず、だけど物語の気配はきちんと残してくれる。この絶妙なトーンが、ずとまよならではの世界観と、見事にシンクロしています。

一話観終えたあとに「今日の回、よかったなあ…」って静かに反芻しながら聴ける、そんな味わい深いED。『ダンダダン』の世界を好きになった人なら、きっとこの曲にも惹かれると思います。

アーティスト紹介｜ACAねと“ずとまよ”が生み出す心に残る音の世界

『TAIDADA』を手がけた“ずっと真夜中でいいのに。”、通称「ずとまよ」。音楽ファンのあいだではすっかりおなじみですが、アニメをきっかけに初めて触れたという方もいるかもしれませんね。

このユニットは、作詞・作曲・ボーカルをすべて担うACAねさんを中心に活動しています。彼女の世界観は、ひと言で言えば「不思議なのにリアル」「新しいのにどこか懐かしい」。ジャンルの枠にとらわれない自由な音作りと、耳にすっと残るメロディが大きな魅力です。

ACAねさんの声には、透明感と感情のゆらぎが同居していて、まるで感情そのものが音になったような繊細さがあるんですよね。

歌詞もまた独特で、「なんでこの言葉をここで選ぶの!?」という驚きがたくさん。短編小説や詩を読んでいるような感覚に包まれる不思議な言語感覚が、彼女の楽曲には詰まっています。

この独自のセンスが、『ダンダダン』みたいに怪異と日常が交差する作品とすごく相性がいいんですよね。キャラ同士の心の距離感や、ふとした瞬間の感情の揺れを、言葉でも音でもすくい取ってくれるような表現力があります。

さらにずとまよは、音だけじゃなくMVやライブ演出でも世界観づくりに定評があります。音楽とビジュアルがセットでひとつの物語になるような、そんなアート的な感覚も魅力のひとつ。

「TAIDADA」でも、そのセンスはしっかり発揮されていて、曲の持つ空気感が映像でもしっかり補完されています。まるで『ダンダダン』の続きを、音楽の中で追体験しているような気分になりますよ。

ACAねさん自身がインタビューなどでよく語っているのが、「自分の心に正直でありたい」という創作姿勢。そのまっすぐさや誠実さが、多くのファンの共感を呼び、長く愛され続けている理由なんだと思います。

疾走感×日常感のミックス｜アニメの“締め”を飾る音の演出力

「TAIDADA」は、まさに“理想的なアニメのエンディング”といっても過言ではない一曲です。

テンポ感のあるビートと、繊細に作り込まれたアレンジが絶妙に共存していて、観終わったあとの余韻と、どこか高揚感まで感じられるような構成になっているんですよね。

特に印象的なのが、イントロからAメロにかけての空気感。シンセの浮遊感とギターの柔らかい音色が重なりあって、まるで現実から異世界へふわっと移行していくような“音のグラデーション”を感じさせてくれます。

ACAねさんのボーカルもまた素晴らしくて、テンポが速い中でもちゃんと感情が乗ってるんです。言葉の一つひとつにニュアンスがあって、忙しい日々の中で、ふと立ち止まって深呼吸したくなるような感覚を思い起こさせてくれます。

曲全体には、“走ってる感じ”と“ぬくもり”が共存していて、まさに『ダンダダン』のキャラたちの日常や人間味を音で描いたような印象を受けます。

シリアスとギャグ、怪異と青春が同時に進行していく『ダンダダン』という作品の空気感を、サウンドの中で自然に再現しているのが、本当に見事なんですよね。

曲構成にもちゃんとドラマがあって、Aメロからサビへの盛り上がり、アウトロでの余韻まで、まるで短編の物語を読んだような感覚にさせてくれます。

そう考えると、この曲は単なる“BGM”なんかじゃなくて、作品の一部として、エンディングの時間を担う“音の演出”になっているんです。

「TAIDADA」は、ただのエンディングテーマではありません。キャラクターの感情をなぞり、視聴者の余韻に寄り添う“感情の脚本”のような一曲なんです。

制作エピソード｜「敵であることが助け合い」に込められた、ACAねのまなざし

「TAIDADA」の歌詞は、ただの雰囲気づくりではありません。実はしっかりと『ダンダダン』のキャラクターたちの関係性を踏まえて描かれているんです。

ACAねさんは、この曲について「敵であることが助け合い。もっと一緒に練っていきたいし戦ったりしたいし、だるいこともほっとけないし…」とコメントしています。

この言葉には、ぶつかり合った先で芽生える共感や絆のようなものを描きたいという、彼女の素直な想いがにじんでいますよね。

『ダンダダン』の物語では、最初は対立していたキャラたちが、気づけば一緒に戦ったり、思いがけず支え合ったりしている──そんな場面がたくさん出てきます。

ACAねさんは、そうした変化や距離感のゆらぎを、「だるいこともほっとけない」「疲労感で眠れるような」なんていう、どこか日常的でリアルな温度感のある言葉で描いているんです。

そのやわらかい表現の中には、完璧じゃない関係こそ、いちばん人間らしくて愛おしい──そんなACAねさんの価値観が感じられます。

さらに「四畳半のしあわせ」なんてフレーズも登場しますよね。これって、怪異やバトルが飛び交う非日常な展開の中で、あえて“ごく普通の幸せ”を描いている点が印象的です。

日常の些細な瞬間にこそ、本当の豊かさがある──そんなメッセージが込められていて、聴いていると胸の奥がじんわり温かくなってきます。

こうした一つひとつの言葉が積み重なって、「TAIDADA」はキャラクターたちの心の動きだけでなく、私たち自身の日常にもそっと寄り添ってくれる楽曲になっているんですね。

歌詞への深掘りとキャラクターとのリンク

『ダンダダン』の主題歌って、ただ作品の雰囲気に合っているだけじゃないんです。歌詞の一つひとつが、キャラクターの心情や物語のテーマとぴったり重なっていて、聴けば聴くほど“あ、この子の気持ちだ…”とリンクしていく感覚があるんですよね。

オープニングの「オトノケ」もエンディングの「TAIDADA」も、“物語の続きを音で語っている”ような主題歌なんです。曲の背景や歌詞の意味を知れば知るほど、アニメ自体への没入感も深まっていく…そんな仕掛けが詰まっています。

「オトノケ」｜怪異とキャラクターの“共鳴”を描くリリック

「オトノケ」の歌詞には、『ダンダダン』の中で描かれる“怪異”との関係性が色濃く映し出されています。

「痛み」「憑依」「共鳴」──このあたりのキーワードは、幽霊や宇宙人と向き合いながらも、どこかで彼らと通じ合おうとするキャラクターたちの感情にぴったりフィットしています。

たとえば、モモが怪異の少女に共感したり、オカルンが自分の体を乗っ取られても相手に向き合おうとしたり…。そんな複雑な心の動きを、リリックが言葉で代弁してくれているんです。

R-指定が「痛みや悲しみに共鳴して結び着く」と語っていたように、ただ怖がるだけじゃなく、“他者とつながる”ことの意味がこの曲には込められているんですよね。

だからこそ、OP映像と一緒に「オトノケ」を聴くと、キャラクターたちの見えなかった一面が見えてくる──そんな“発見”のある体験になっているんです。

「TAIDADA」｜青春の揺らぎと、ささやかな幸せのかたち

エンディングの「TAIDADA」は、もっと日常寄り。キャラクターたちが戦いや怪異の裏で見せている“素の姿”を、やさしくすくい取ってくれている楽曲です。

ACAねさんのコメントにもある「敵であることが助け合い」というフレーズは、まさにモモやオカルン、ジジ、アイラたちの関係性そのもの。ぶつかりながらも通じ合い、なんだかんだで助け合ってしまう。その“距離感”がとても青春っぽくてリアルです。

「疲労感で眠れるような」「だるいこともほっとけない」──そんな言葉に含まれるのは、非日常な物語と、ふだんの暮らしとの間にある“橋渡し”のような温度です。

特に「四畳半のしあわせ」っていうフレーズは響きますよね。大きな事件や激しいバトルの中でも、彼らが守ろうとしているのは、ほんの小さな、でも確かな“日常の幸せ”。

このEDを聴いていると、キャラたちの心の裏側がそっと覗けるような気分になりますし、アニメ本編の見方にも深みが増してくるんです。

まとめ｜『ダンダダン』主題歌が作品体験をどう深化させるか

『ダンダダン』第1期を彩る主題歌――Creepy Nutsの「オトノケ」と、ずっと真夜中でいいのに。の「TAIDADA」。この2曲は、ただのオープニングやエンディングではありません。

それぞれが作品と深く結びつき、“もうひとつの物語”を音楽という形で描き出しているように感じられるのです。

「オトノケ」は、怪異と人との共鳴というテーマを、Creepy Nutsらしい鋭い言葉とリズムで表現。物語のスタートを一気に引き上げる、まさに“入り口としての音楽”として機能しています。

そして「TAIDADA」は、戦いや非日常の裏にある、キャラクターたちの素顔や、ふとした日常の温もりに焦点を当てた一曲。心の奥をそっとなぞるようなメロディと歌詞が、エンディングにぴったりのやさしさを添えてくれます。

この2曲には、音楽としての完成度の高さはもちろん、キャラクターたちの感情に寄り添う繊細な表現が詰まっていて、アニメの世界をより立体的に、よりリアルに感じさせてくれます。

ここまで高い親和性が実現できたのは、アーティストたちが作品と真剣に向き合い、深い愛情と理解を持って制作に臨んだからこそ。そんな真摯な姿勢が、音にも言葉にもあふれているんですよね。

アニメを観終わったあと、ふと歌詞を読み返してみると、「あれ、これってあのキャラの本音じゃない？」なんて、キャラクターの“心の声”が聴こえてくるような感覚になることもあるかもしれません。

『ダンダダン』という物語の世界を、もっと深く味わいたい人にとって、

この2つの主題歌は、間違いなく“物語の鍵”になる楽曲です。

アニメと音楽が織りなす、あの特別な余韻。ぜひ何度でも味わってみてください。